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肢体不自由教育 No.201
評価で伸ばす授業力
改めて教師の専門性が問われている今日、授業の質を高め、授業力を向上させることが大きな課題となっています。授業を評価することで授業をよりよいものにし、子供を伸ばす指導ができるのではないでしょうか。このような考えから、本号の特集テーマを「評価で伸ばす授業力」としました。
論説では、燒先生に授業力の要素についての解説と、教員が授業力を培うための具体的な方法について論じていただきました。一木先生には、学習指導要領を踏まえて、学習評価の考え方と実際について述べていただきました。目標に準拠した評価、評価の観点に基づいて学習評価を行い、授業改善を図ることが求められます。
実践報告では、授業改善に利用できるさまざまな手法や評価方法の工夫を具体的に取り上げています。
授業力の向上に、本特集号が生かされることを期待しています。
(吉川 知夫) |
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- ・写真
- 僕らの舞台発表
- ・巻頭言
- 「授業の成立」
- 山田 章弘
特定非営利活動法人フュージョンコムかながわ・県肢体不自由児協会理事長
- ・論説
- 授業力を培う
- 燒 ふみ
前千葉県立船橋特別支援学校長
- 授業改善につながる学習評価
- 一木 薫
福岡教育大学教育学部講師
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- ・実践報告
- 研究協議会の助言を生かす授業改善の取組
―自立活動を主とした教育課程―
- 木村 直子
広島県立広島特別支援学校教諭
- 国語における授業改善
―的確な文章理解を目指す指導―
- 加藤 隆芳
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭
- 個別の指導計画を生かした授業改善
―学習指導案と授業検討会による工夫―
- 飯島 伸介
茨城県立下妻養護学校教諭
- 「朝の会」の授業改善
―授業者としての働きかけを振り返って―
- 中藤 美紀
高知県立高知若草養護学校教諭
- ・キーワード
- 授業研究
- 吉川 知夫
上智大学大学院
- ・連載講座
- 肢体不自由教育におけるICF/ICF―CYの活用の実際(2)
実際の活用事例及び活用を支えるツール等の紹介
- 徳永亜希雄
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
教育支援部主任研究員
- ・講座Q&A
- 姿勢保持いすの作製
- ・取組紹介
- みんなで遊べるユニバーサルカヌー
―障害児のためのカヌー環境の実現―
- 和田 精二
湘南工科大学工学部コンピュータデザイン学科教授
- ・講座Q&A
- てんかんのある子供への対応
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- ・基礎知識 《重度・重複障害児の健康管理2》
- 全体像から健康管理の特徴をつかむ
- 舟橋満寿子
東京小児療育病院小児科医師
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- 体を動かすための遊具
―楽しんで動くための工夫―
- 三本 定則
愛媛県立しげのぶ特別支援学校教諭
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- ・学校保健と医療的ケアの今
- 通所施設における医療的ケア
―東京都における現状と課題―
- 岩崎 京子
社会福祉法人足立邦栄会障害者支援施設みずき
前生活介護U所長
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- ・特別支援教育の動向
- 東京都における特別支援教育の推進
- 諏訪 肇
東京都教育庁指導部 義務教育特別支援教育指導課 統括指導主事
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- ・読者の声
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- 一年を振り返って
- 於保 裕希
神奈川県立座間養護学校教諭
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私が初めて肢体不自由の子供たちと接したのは、社会人一年目、教員としても一年目の時で、何も分からない中で、とにかく何かをしないといけない、という思いでかかわっていたことを思い出します。
私は肢体不自由の子供とかかわるとき「側弯があるけれど、どうしよう」「手が拘縮しているけれど、どう触れたらよいのか」そんなことを考えて接していました。この子は脳性まひだから、この子は○○だからこうしようと、子供を障害に当てはめていました。
確かに医学的な配慮は絶対に必要です。しかし、私は医者ではなく教育者です。身体ではなくその子供の心を見ないといけません。話すことができない子供でも、全身でその子の思いを必死に伝えようとしているのに、私は身体ばかりを見て、その子の気持に全く応えようとしていませんでした。
ところがある時、車いすに乗せるために抱きかかえた感触に違和感を覚えました。いつもは身を預けてくれる子供がその日は預けてくれずに「ズシリ」とくる感覚を覚えました。その子は次の日、風邪で休みました。「ズシリ」とくる感覚はその子の私に対するメッセージだったことに気付きました。身体ばかり見ていては分からない子供の気持を、初めて感じとれた瞬間でした。
それから私は、触れることを通してその子供の思いを受け取るようにしています。子供からのメッセージを受け止め、より多く返していけるようにと努めています。
- 佐藤流「自立」
- 佐藤 英恵
長野県小諸養護学校教諭
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私はこれまでに、ろう教育と重度・重複障害児教育を経験しています。前者での経験から「自立」とは、「自分でお金を稼いで生活すること」「両親に精神的に頼らないこと」ととらえていました。しかし、後者を経験した当初、彼らは卒業後に自らお金を稼いで生活していくことが難しいという現実を知り「ショック」を受けました。障害が全く異なる子供たちと接する中で、それぞれの教育において「自立」に向けて大事にされていることの違いを、改めて考えるようになりました。
ろう教育の場合、「自立」に向けて大事にされていることは次の三点です。一つ目は、人と話す楽しさを感じられること、二つ目は、人と接するときのマナーが分かること、三つ目は、悩みを打ち明けられる同じきこえない仲間がいることです。一つ目の達成に向けては、口話力、読話力、日本語力(スムーズな筆談でのやりとり)を培う必要があります。二つ目と三つ目の達成に向けては、成人あるいは同年代のろう者との交流する場に参加していくことが大切です。
他方、重度・重複障害児教育では、次の三点を大事にしています。一つ目は、身体機能の現状を維持すること、二つ目は、彼らが一人でいても楽しく過ごせることを見つけること、三つ目は、快や不快について、自ら周りの大人に伝えることができるような方法を見つけることです。
これらの違いはありますが、自立に向けて、積極的に物事に取り組むこと、人と関わることが楽しいと思えること、好きなことがあることは、障害種を越えて教育現場で最も大事にすべきことと考えています。
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- ・図書紹介
- 『えっ うちの子に障がい? でも、一人で悩まないで』
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「肢体不自由教育」200号を祝う会・シンポジウムの開催
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- 平成22年度事業報告
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■次号予告
■編集後記
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