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肢体不自由教育 No.216
自立活動の指導
肢体不自由教育における「自立活動」(身体の動き)の重要性は言うまでもなく、教師にはその専門性の向上が求められます。本誌ではこれまでも「自立活動」に関する特集を組んできましたが、「身体の動き」に焦点を当てた特集は、平成11年の第141号以来となります。
まず、巻頭言で三室先生に自立活動「身体の動き」の意義について述べていただきました。論説では分藤先生に、自立活動の目的や教育課程上の位置付けについて解説し、個別の指導計画作成の流れに沿ってポイントを示していただきました。宮﨑先生には指導に関する基本的な考え方について解説していただきました。4つの実践報告では、自立活動における時間の指導を中心に、専門的な指導について報告していただきました。
自立活動の指導を進めるに当たり、本特集号がその一助となることを願っています。
(吉川 知夫) |
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- ・写真
- 図工でけん玉を作ったよ
- ・巻頭言
- 自立活動の「身体の動き」の意義
- 三室 秀雄
東京都教職員研修センター教授
- ・論説
- 自立活動の指導とは
- 分藤 賢之
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官
- 身体の動きに関する理論と指導
- 宮﨑 昭
山形大学地域教育文化学部教授
- ・実践報告
- 自立活動教諭と学級担任との連携による指導
―専門性を活かした取組―
- 古川 章子
北海道拓北養護学校自立活動教諭
- 動作法を活かした自立活動の授業
- 渡邉 涼
東京都立北特別支援学校主任教諭
- NMBPに基づく集団的指導
―自立活動に教科書は必要か―
- 西郷 建彦
横浜市立中村特別支援学校教諭
- 姿勢が崩れやすい子供の座位の安定を図る指導
―身体の中心軸の確立を目指して―
- 木下裕一郎
長崎県立諫早特別支援学校教諭
・連載講座
- 学習到達度チェックリストとその活用(2)
肢体不自由教育の課題と教科・発達の視点
- 徳永 豊
福岡大学人文学部教授
- ・講座Q&A
- ケース会の目的や進め方
- ・活動紹介
- 離島発! 福祉機器開発への挑戦
- 岩切 裕哉
広島商船高等専門学校流通情報工学科准教授
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- ・基礎知識
- 障害児・者を取り巻く国内外の動向 2
障害者総合支援法の概要とその課題
- 朝日 雅也
埼玉県立大学教授
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- 授業に活かす評価の工夫
―写真を用いた定性的評価からの授業づくり―
- 額田 和憲
岡山県立早島支援学校教諭
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- ・学校保健と医療的ケアの今
- 学校で行う口腔ケア その1
- 菊池 重成
きくち歯科医院院長(東京都新宿区)
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- ・特別支援教育の動向
- 特別支援学校(肢体不自由)のAT・ICT活用の促進に関する研究
―小・中学校等への支援を目指して―
- 長沼 俊夫
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 総括研究員
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- ・読者の声
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- 創立50周年を迎えて
- 佐々木 洋治
愛媛県立しげのぶ特別支援学校教諭
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本校は、創立50周年を迎える、愛媛県内唯一の肢体不自由・病弱教育に対応する特別支援学校です。今年度は様々な記念行事が予定されており、特に、11月の記念文化祭に向けて、学校を挙げて準備を行っている最中で、幼児児童生徒たちも楽しみにしています。
さて、高等部ではここ数年、学校にタブレット端末を持参し、授業等で利用する生徒が増えてきました。また、本校にもタブレット端末が複数台配備され、誰でも利用できるようになりました。このことで、手指等の動きの制限や発語に困難さがある生徒たちも、今まで以上に主体的に授業等へ参加できる機会が多くなりました。しかしながら、教員の方が対応しきれていない現状もあり、誰が授業を担当しても活用できるよう、研修が求められていると強く感じています。
また、平成27年4月には、県内に2つの特別支援学校(肢体不自由)が開設される予定です。県内の肢体不自由教育の中核を担ってきた本校に求められる役割は大きく、今年の1月には、文部科学省の事業の一環として国立特別支援教育総合研究所の研究職員の講演の機会を得るなど、専門性の向上のための研修を多く行っています。また、個別の教育支援計画や個別の指導計画に関しても、今まで以上に活用しやすくなるように様式の検討を始めています。
これらに取り組む中で、本誌の肢体不自由教育の動向や実践例等の記事は非常に参考となるものでした。今後も専門性の向上に役立てていきたいと考えています。
いいとこさがし
- 金澤 範明
埼玉県立熊谷特別支援学校教諭
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毎号、興味をもって読ませていただいています。また、困ったときや悩んだとき、背表紙にある特集のキーワードを頼りに、本棚から本誌を手に取り、解決の手がかりを探しています。
さて、一昨年度、本校の特別支援教育推進委員会が「熊特いいとこみ〜つけた!」と題し、校内の環境のよいところや各学部のよい取組をリーフレットにまとめました。写真入りでとても分かりやすい内容だったので、肢体不自由教育に取り組むにあたっての「引き出し」を増やすことができました。
また、私は現在、保育所や小学校など校外に教育相談に出させていただいていますが、いつも心掛けていることがあります。それは、相談とあわせて、それぞれの「いいとこさがし」をすることです。先生方の子供たちへのはたらきかけ・環境づくり・教材教具・授業の展開など、教育相談に伺いながら、自分自身の引き出しも増やしている状況です。
子供を真ん中において「どんなよい授業や支援ができるだろう?」と話し合う時、その引き出しの中から色々と引っ張り出しますが、まだまだ引き出しを増やしていかなければ、と感じています。
昨年末には、学区内(16市町村)にある肢体不自由特別支援学級の先生方に声をかけて、本校で情報交換会を開催しました。本校の「いいとこ」の一つである教材教具を校内の先生方に展示してもらい、学級の先生方には時間割を持ち寄って頂いて、教育内容などの情報交換が行われました。
これからも私のみならず、校内や学区内でみんなの引き出しが増えるような場ができればと、考えています。本誌ももちろんその一つです。
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・図書紹介
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■次号予告
■編集後記
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