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肢体不自由教育 No.220
指導に生かす生理・病理の基礎知識
新年度が始まり、2か月目になりました。4月に転勤された先生方は、新しい職場環境に慣れたでしょうか。
さて、本研究会では、肢体不自由教育の実践に関して、読者の皆さんがどのような情報を求めているのか、とても気になっているところです。今回の特集は、従来の実践報告を一旦休みにして、「生理・病理の基礎知識」について取り上げることにしました。歴史は繰り返すと言いますが、五月に入り、ベテランの先生方にとって、「今の若い人は、こんなことも知らないのか」と思うような出来事は起こっていないでしょうか。そこで、経験を問わず、肢体不自由教育に携わる先生方の研修ニーズに応えられるように、障害理解や指導に役立つ情報を満載しました。若い先生方に読んでいただければうれしく思います。
石井先生が「縁あって受けもつことになった、子供の病態と医療的配慮について(中略)深く学んでください。」と述べておられます。私は、これを石井先生からの激励と受け止め、これからも子供と学び合いを深めて、成長する教師であり続けたいと思います。
(尾﨑 至) |
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- ・巻頭言
- 専門性に基づく教育への新たな一歩
- 菅 俊雄
愛媛県立しげのぶ特別支援学校長
- ・論説
- 肢体不自由教育に必要な医療的な基礎知識を生かすために
- 石井 光子
千葉県千葉リハビリテーションセンター
第一小児科部長
- ・解説
- 生理・病理の基礎知識を肢体不自由教育に生かす
- 編集委員会
- ・基礎知識1
- 脳性麻痺の原因・症状・治療
- 小沢 浩
島田療育センターはちおうじ所長
(神経小児科医師)
- 脳性麻痺のある子供の指導
- 武井 純子
東京都立墨東特別支援学校主幹教諭
- ・基礎知識2
- 水頭症の原因・症状・治療
- 藤原 一枝
藤原QOL研究所代表
(元東京都立墨東病院脳神経外科医長)
- 水頭症のある子供の指導
- 竹田 恵
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭
- ・基礎知識3
- 筋ジストロフィーの原因・症状・治療
- 石川 悠加
国立病院機構八雲病院小児科医長
- 筋ジストロフィーのある子供の指導
- 松浦 雅子
千葉県立特別支援学校流山高等学園教頭
- ・基礎知識4
- 二分脊椎の原因・症状・治療
- 田中 弘志
心身障害児総合医療療育センター整形外科医長
- 二分脊椎のある子供の指導
- 渡邉 文俊
埼玉県立熊谷特別支援学校教諭
- ・基礎知識5
- 骨形成不全症の原因・症状・治療
- 田中 弘志
心身障害児総合医療療育センター整形外科医長
- 骨形成不全症のある子供の指導
- 尾﨑 至
千葉県立千葉特別支援学校教頭
・連載講座
- 様々な活用の可能性:タブレットPCを活用した指導(1)
- 新谷 洋介
国立特別支援教育総合研究所
教育情報部研究員
- ・講座Q&A
- 重複障害の重い児童生徒の進路指導
- ・活動紹介
- 天才アートミュージアム
−才能という強みを磨く−
- 重光 豊
NPO法人障碍者芸術推進研究機構 天才アートミュージアム 副理事長
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- ・基礎知識
- 子どもの摂食嚥下障害を支援するための基礎知識 1
小児の摂食嚥下障害に対する考え方の基本
- 田角 勝
昭和大学医学部小児科教授
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- 教材・教具の工夫
−小集団学習の中で一人ひとりの目標に迫る−
- 相良知恵子
長崎県立佐世保特別支援学校教諭
(前長崎県立長崎特別支援学校教諭)
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- ・特別支援教育の動向
- インクルーシブ教育システムの構築に向けた国の取組
- 分藤 賢之
文部科学省初等中等教育局
特別支援教育課特別支援教育調査官
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- ・読者の声
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- おいでなして全肢研イン長野
- 小林 里恵子
長野県花田養護学校教諭
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本校は、長野県の「おへそ」にあたる諏訪湖近くに位置する、全校の児童生徒(小学部、中学部、高学部)合わせて、約80名が在籍する小さな特別支援学校です。医療型障害児入所施設信濃医療福祉センターに併設していて、平成27年度で、開校30周年を迎えます。「おはよう」「今日も元気だね」などの声が、各学部を超えて飛び交っていたり、管理職が、季節のキャラクターになってエレベーターから降りてきた子供たちを出迎えたりするような、温かい雰囲気の楽しい学校です。
楽しい雰囲気だけではなく、一人一人に合わせた授業づくりを大切に考えて日々の授業を行っています。私の所属する小学部では、平成25年度より、「将来を見通した視点で一人ひとりが主体的に取り組める授業の工夫」ということで、「ドリームロード」「ドリームロードを基にした評価表」を使っています。学年や教育課程ごとのグループなどの集団で行う授業で、各教科の目標に合わせた指導ができているかを、見返すためのツールとして活用しています。
平成27年度は、本校が「第61回全国肢体不自由教育研究協議会(全肢研)長野大会・第53回中部地区肢体不自由教育研究大会」(11月11〜13日開催)」の主管校となっています。学校を上げての大きな大会に、私たち教職員も今まで以上に力を合わせて、大会の運営並びに普段の授業の充実を図っていこうと気持を高めています。
どうぞ、長野の地へお越しください。教職員一同、心よりお待ちしております。
からだと育ち
- 中村 秀代
岐阜県立可茂特別支援学校教諭
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本校は、4年前に開校した知的障害者・肢体不自由者・病弱者を対象とした特別支援学校です。肢体不自由のある児童生徒数は少なく、担当する教師にとって、本誌の内容は児童生徒の実態把握や日々の教育実践の参考となっています。
私は、肢体不自由と重度の知的障害のある生徒が在籍する中学部重複障害学級の学級担任をしています。生徒の内の1人は、私が前任校で小学部の副学級担任として関わっていました。
その当時は身体を横たえていることが多く、関心を示すことは限られており、授業中に眠ってしまうこともたびたびありました。そこで、腕上げ、体幹ひねり、座位、膝立ち、立位など身体へのアプローチをした結果、小学部卒業時には、寝返りをし、左手で物に触れたり、時々「はい」と返事をしたりするようになりました。
中学部2年生になり、姿勢が安定し、頭部のコントロールが良くなると、動く物を目で追うことや、指示する方向を見ることができるようになり、関心を示すことが増えました。手でスイッチを操作する学習もできるようになりました。問いかけに答えたり、声で気持を伝えたりするようになるなど、認知やコミュニケーションなどの面も発達しています。
筋緊張が強い子供は、身体に触れて、ゆっくり弛めるようにすると、動きやすくなり、ボディイメージに変化が見られ、子供の表情は変わってきます。また、障害の重い子供は横たえている体を起こし、身体に軸ができてくると、見る世界が変わってきて、成長が確認できます。そのような体験を何度もできたことは、教師としての最高の幸せだと思っています。
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・図書紹介
- ・トピックス
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■次号予告
■編集後記
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