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肢体不自由教育 No.232
安心・安全な学校を考える
本号は、第219号(平成27年2月発行)の「安心・安全な学校づくり」の特集に引き続いて、「安心・安全」を再び特集テーマとしました。今回は、災害対策だけでなく、日常の「安心・安全」にも目を向けました。
肢体不自由のある子供にとって、実態に合った食形態の食事をとることが、食機能の発達だけではなく、安全のためにも大切であることを、毎日の給食のたびに感じています。学校で食べるからこそ、学校の組織の中で確認され、共通理解が図られていることを感じています。梅原先生には、組織的に取り組んできた実践を、ご報告いただきました。
スマートフォンやiPadなど、子供たちが手軽に扱える機器が増えました。情報の管理の重要さを教えることは、小・中学校等と変わりなく、急務と思われます。
甲斐先生には、災害時の寄宿舎の対応を中心に、ご報告いただきました。立地条件、規模、職員組織など、同じ学校は一つとしてありません。今回の特集が、皆さんの学校の安心・安全を守るヒントになればと願っています。
(武井 純子) |
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- ・巻頭言
- 安心・安全な学校生活のために
―日々のリスクマネジメントを大切にして―
- 近藤 明紀
千葉県立柏特別支援学校長
- ・論説
- 特別支援学校(肢体不自由)における学校安全
―安全教育の意義と展開―
- 三室 秀雄
東京都教職員研修センター教授
(元東京都立光明特別支援学校長)
- 大災害に負けない学校防災マネジメントの在り方
―「マニュアル作成、人材育成、多様な連携」を中心に―
- 鍵屋 一
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授
(一般社団法人 福祉防災コミュニティ協会代表理事)
- ・実践報告
- 学校給食における組織的な摂食指導の取組
- 梅原めぐみ
東京都新宿区立新宿養護学校主任教諭
(前東京都立北特別支援学校主任教諭)
- 児童生徒の実態に応じた情報モラル教育
- 内田 考洋
埼玉県立熊谷特別支援学校教諭
- 熊本地震
―震災から学ぶ寄宿舎生への対応―
- 甲斐 憲彦
熊本県立松橋支援学校長
- ・研究大会報告
- 第41回日本肢体不自由教育研究大会を終えて
- 西川 公司
特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会理事長
- 基調講演・セミナーA・イブニングセミナー・セミナーB
・連載講座
- 教科指導における障害特性を踏まえた指導・支援のコツ(3)
3つの困難さを踏まえた算数・数学科の指導の工夫
- 古山 貴仁
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭
- ・講座Q&A
- 進路指導
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・コミュニケーション指導の基礎知識 3
障害の重い子供のコミュニケーション指導の考え方
吉川 知夫
国立特別支援教育総合研究所主任研究員
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- 温水プールにおける自立活動の指導と教材の工夫
―重度・重複障害のある生徒への指導―
- 小山 洋司
岡山県立岡山支援学校教諭
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- ・特別支援教育の動向
- 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の肢体不自由教育に関する研究及び事業の紹介
- 北川 貴章
独立行政法人国立特別支援教育
総合研究所 主任研究員
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- ・読者の声
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- 児童の調和的な発達を願って
- 伊藤 昌子
秋田県立秋田きらり支援学校教諭
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平成27年度、私は、小学部の自立活動を主とする学習グループの学級担任として、低学年児童の「気付く、伝える、やってみる」姿を育てる教師の支援に視点を当てた授業づくりを行いました。
学習を促す上で大切にしたのは、児童が楽しいと感じることです。児童が好きな絵本を参考にした話の内容に合わせて「紙芝居を見る→シーツブランコに乗る→光遊びをする→ボールスライダーに乗る」という4場面で授業を構成しました。話の進行に合わせて活動場所を移動し、始まりから終わりまでを意識できるようにしました。
話には内容に即した歌があり、同じメロディーで歌いながら、4場面ごとに活動を展開しました。好きな音楽や遊具で楽しみながら、身体を動かすようにしたことで、児童は活動に見通しをもち、期待感一杯で表情や身体で気持を表したり、自ら活動に取り組んだりしました。
もう一つ大切にしていたことが、外部専門家との連携です。隣接する秋田県立医療療育センターのセラピストから得た助言を踏まえた指導により、児童の姿勢や手の動きが変わり、集中力も長く続きました。児童自身が力を十分に発揮したことで、遊びが効果的な学びへと結び付いていきました。
これらの取組を通して、教師の支援、児童の調和的な発達、外部専門家の視点をより強く意識するようになりました。ヒントの宝庫である本誌も活用しながら、今後も授業づくりを行っていきます。
授業づくりを楽しむ
- 田中 ひろ子
横須賀市立養護学校教諭
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本校は、肢体不自由のある児童生徒を対象とした小学部・中学部からなる学校です。市内の小・中学校から異動して本校に勤務するようになった教員が多く、私もその一人でした。
児童生徒の個別の指導計画を考える際には、理学療法士等の専門職とのカンファレンスを行います。各分野の職員に質問したり助言を得たりするためには、教員にも専門的な知識が必要で、それぞれの児童生徒について個別性の高い指導目標や内容が設定されます。
教員の本業は授業づくりです。小学校から養護学校に異動して、一番驚いたことは、毎週、集団授業について指導案検討をすることでした。授業に参加する児童生徒について、適切に実態把握と目標設定をし、目標到達のための手だてを考えることが、授業づくりにおいて一番大切な部分です。本校では、今年度の校内研究で、「一人ひとりの教育目標の実現を目指した授業づくり―アセスメントツールを活用したグループ別学習―」と題して授業研究を行っています。学級や学部を超えて課題別小集団を編成し、それぞれの授業に参加する児童生徒に適した共通のアセスメントツールを使い、一人ひとりの児童生徒の授業のねらいと手だてを教員間で共有することで、教育目標の実現に迫ります。
このように、校内研究や毎週の指導案検討において、教員それぞれの得意分野を活かし、意見を交わし合いながら授業づくりをすることは、教員としての専門性を高め、児童生徒の学びを保障することになると思います。児童生徒の小さな変化や成長に気付ける「目」を養い、その瞬間に立ち会える喜びを楽しみに、今後も授業づくりに励みたいと思います。
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・図書紹介
- ・トピックス
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■次号予告
■編集後記
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