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肢体不自由教育 No.237
専門性を育む
本号では、「専門性を育む」を特集のテーマとしました。 教員の専門性、特別支援教育の専門性、肢体不自由教育の専門性など、専門性の内容については、多岐にわたる半面、近年では人事異動のサイクルが短く、個々の教員の専門性が育ちにくい、また大量退職期を迎え、専門性が継承しにくい現状があると言われています。 本号では、巻頭言、論説、実践報告を通じて、肢体不自由教育にかかわる教員に求められる専門性や現状、研修センターでの取組、各学校の特色のある専門性向上のための研修などの取組を紹介していただきました。 実践報告では、教員の多忙化が言われる中、限られた時間の中で、実践的で効果的な研修が行われていると感じました。 専門性の向上は、私たち教員にとって、終わりのないテーマでもあります。各校の研修の充実や人材育成の取組に、本誌を活用していただけると幸いです。 (熊井戸佳之) |
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- ・巻頭言
- 肢体不自由校の専門性向上
- 庄司 伸哉
東京都立鹿本学園校長
- ・論説
- 肢体不自由教育で求められる教員の専門性
- 宮﨑 昭
立正大学心理学部特任教授
- 肢体不自由教育における教員の専門性の向上
―北海道の現職研修から―
- 柏木 拓也
北海道真駒内養護学校副校長 (前北海道立特別支援教育センター教育課長)
- ・実践報告
- 自立活動の専門性に関する教員の自己評価シートの活用
―校内研修のシステム化の定着に向けて―
- 渡邉 文俊
埼玉県立川島ひばりが丘特別支援学校主幹教諭 (前埼玉県立熊谷特別支援学校教諭)
- 複数の学校と共同で行う授業研究
- 大畑 美帆
広島県立広島特別支援学校教諭 (前広島県立福山特別支援学校教諭)
- エキスパート教員を中心とした組織的な専門性向上の取組
- 毛利 英子
鳥取県立皆生養護学校教諭
- ・研究大会報告
- 第42回日本肢体不自由教育研究大会を終えて
- 西川 公司
大会会長
(特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会理事長)
- 基調講演、セミナーA1「障害の重い子供のコミュニケーション指導」、セミナーA2「認知学習(基礎学習)のための教材・教具の活用」、セミナーA3「アダプテッド・スポーツ/体育」、セミナーB1「情報パッケージ『ぱれっと(PALETTE)』の活用」、セミナーB2「動作法の理論と実技」、セミナーB3「『読み書き』の力を育む指導の理論と実際」
・連載講座
- 算数・数学につながる数の指導(3)
数概念の形成、数の同じの概念、数の三項関係の理解を中心に、合成・分解まで
- 川間健之介
筑波大学人間系教授
- ・講座Q&A
- 視線入力について
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・小児リハビリテーションの基礎知識 3
上肢・手指機能発達の基礎知識
西方 浩一
文京学院大学保健医療技術学部准教授
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- ICTを活用した授業の工夫
―当校の実践と未来への準備―
- 大倉志保子
新潟県立柏崎特別支援学校教諭
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- ・特別支援教育の動向
- 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の研究及び事業の紹介
- 吉川 知夫
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 総括研究員
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- ・読者の声
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- ネットワークの大切さ
- 本田 誠三
北九州市立小倉総合特別支援学校主幹教諭
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肢体不自由のある子供たちと出会って、早いもので20年になります。その間、アシスティブテクノロジー(以下、AT)やICTを活用した実践に出会い、その活用によって、子供たちが主体的にいきいきとした笑顔で、学習に取り組めることを学びました。その後、さらなる啓発に情熱を傾けていた時、先輩から次のような忠告を受けました。 「ICT活用は素晴らしいが、技能を身につけることは、誰にでもできることではない。例えるならば、音楽の先生はピアノを弾けるが、全ての教師にピアノを弾くことを求めるのはおかしい」と。確かに苦手意識をもっている方もおり、強要しても良い指導に繋がるはずはなく、独りよがりの取組に気付かされました。 しかし、ピアノの例えに疑問も湧いてきました。ある学習目標に対してピアノによる演奏か、CDを用いるか等、適切に選択する必要があり、それが専門性だと思います。一方で、ピアノが弾けなくても、生演奏の場合は、ピアノを弾ける方の力を借りれば良いと思います。つまり、個々の専門性に加え、他の方の力を借りることができる「ネットワーク」が、とても重要だということです。 その後も、校内外でATやICT活用の啓発の取組を続けてきました。参加者が「自分にもできるかも」という実感をもつことも目標ですが、同時に、お互いに支え合うネットワークづくり、仲間づくりの場になればと思っています。
様々な経験を活かして、学び続ける
- 神成 聡子
川崎市立田島支援学校教諭
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私が勤務する学校に肢体不自由教育部門が開設されて5年、異動で同部門に配属された私も、ここで同じ齢を重ねています。肢体不自由教育の経験や知識をかわれて赴任したわけではありません。前任校は中学校、その前は聾学校で、肢体不自由教育とは関わりのない現場で働いていました。 着任当時、勤務校にできたばかりの肢体不自由教育部門に経験のある教員はおらず、手探りで毎日の指導を展開することになりました。その頃、私の支えとなった人や事があります。 一つは保護者の皆様の存在。抱き起こし方、体の支え方、ポジショニングなど、日常の働きかけの一つ一つを恐る恐る行っていた私に、保護者の皆様は励ましの言葉をかけてくださり、指導や支援に必要な内容が掲載された「肢体不自由教育」のバックナンバーの紹介をしてくださいました。保護者の皆様の思いに応えられる知識や技能を修得する必要を強く感じ、「肢体不自由教育」の記事は今も私の取組を支えるツールとなっています。 もう一つは教員として積んできた今までの経験。中学生に対する指導も聴覚障害教育も、肢体不自由教育に直接結びつく要素があるとは言えませんが、そこで得た知識と経験は、どちらも今の教育及び教育環境を整える上で役に立っています。いずれは、肢体不自由教育で得た知見も私の血肉となり、先々の時代で私を支える要素となってくれることでしょう。
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・図書紹介
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- ・トピックス
- 第35回障害児摂食指導講習会
本研究会評議員を委嘱
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■次号予告
■編集後記
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