日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.249

地域の教育資源の活用

本号は「地域の教育資源の活用」を特集のテーマとして、それぞれの立場から、地域の中で育つ子供、地域とともにある学校について述べていただきました。 巻頭言や論説では、時代や社会の大きな流れを踏まえ、現在の特別支援教育や学校に必要なこと、求められるものを示唆いただきました。 また、実践報告には、いずれも学校や地域の中で、目の前の子供たち、未来の子供たちのためにご尽力された丁寧な取組が描かれました。 あらためて、学校で出会う子供たちは、地域や未来とつながる存在であり、教室での日々の営みは、そのような視点で捉えていかねばならないと、身の引き締まる思いがしました。 子供たちが、生涯にわたって地域の中で豊かに生きていくために、一二年間の学校生活でどのような力をつけさせたいのか、学校はどのように地域とつながっていけばよいのか、本特集号がそれらのことを考えるヒントとなれば幸いです。

(武部 綾子)

 

・巻頭言
生涯学習につながる地域資源を活用した学校づくり
重光  豊
特定非営利活動法人障碍者芸術推進研究機構副理事長


・論説
肢体不自由教育における生涯学習の推
―社会に開かれた教育課程による地域とのつながり―
柴垣  登
岩手大学教育学部特別支援教育科教授・附属幼稚園長

社会に開かれた教育課程の編成と教育活動の充実
コ永亜希雄
浜国立大学教育学部教授・附属特別支援学校長


・実践報告
教育活動に生かす地域資源
―ICTに関する研修会での学びと授業実践―
桑名慎太郎
長崎県立諫早特別支援学校教諭

地域素材を活かし、地域の人とのつながりで学ぶ生活単元学習
―食と文化の地域体験「発見、ぼくの町」―
松本  綾
熊本県立松橋東支援学校講師

地域とつながる防災対策の取組
―肢体不自由校のつながり備える防災対策―
一杉 茂樹
静岡県立東部特別支援学校教諭

障害のある子供が地域の中で学ぶために
―特定非営利活動法人Linoの立ち上げと活動について―
杉本ゆかり
特定非営利活動法人Lino代表
・連載講座 肢体不自由教育の歩み(5)
特殊教育から特別支援教育、そしてインクルーシブ教育へと進む道
北川 貴章
国立特別支援教育総合研究所 主任研究員
・呼吸リハビリテーションの基礎知識 5
呼吸障害のある重度重複障害児の身体の触り方・動かし方
花井 丈夫
医療法人 拓 能見台こどもクリニック 理学療法士
・ちょっといい話 私の工夫
自立活動を基軸とした摂食指導の充実を目指す取組
―自立活動の指導を支える専任教員の立場から―
有島 俊也
鹿児島県立鹿児島養護学校教諭
・特別支援教育の動向
「第六十六回全国肢体不自由教育研究協議会」(埼玉大会)」の報告
小池 浩次
第六十六回全国肢体不自由教育研究協議会
埼玉大会実行委員長
埼玉県立越谷特別支援学校長
・各地の特別支援教育〈高知県〉
高知県の肢体不自由教育の取組について
板橋 潤子
高知県教育委員会事務局
特別支援教育課 指導主事
・図書紹介
肢体不自由教育実践 授業力向上シリーズ 8
「遠隔教育・オンライン学習の実践と工夫」

重度・重複障害教育におけるカリキュラム評価
―自立活動の課題とカリキュラム・マネジメント―
子どもたちが笑顔で育つムーブメント療育
■次号予告
■編集後記