日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.253

教科指導の充実 ―国語、算数・数学の指導―

 本号では「教科指導の充実―国語、算数・数学の指導」を特集のテーマとしました。

 今回の学習指導要領の改訂では、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」という視点が重視され、特に知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科等の目標と内容が大きく充実しました。私たち教員が授業の中で、児童生徒に何ができるようになってほしいか、何を学んでほしいのかを改めて意識する機会となったと感じています。

 本号では肢体不自由児の国語、算数・数学の授業について、改訂された学習指導要領の内容や肢体不自由児の学習上の困難さとその対応などを、巻頭言及び論説で解説いただき、実践報告では指導内容の設定や教材の工夫等を紹介しました。

 本特集を参考にしていただき、肢体不自由のある子供の授業改善の取組につなげていただければ幸いです。

(熊井戸 佳之)

 

・巻頭言
各教科を学ぶ意義と授業づくり
川間 健之介
筑波大学人間系教授


・論説
国語科における肢体不自由児の指導
田丸 秋穂
筑波大学附属桐が丘特別支援学校副校長

算数科・数学科における肢体不自由児への指導
相坂 潤
青森県教育庁学校教育課
特別支援教育推進室 指導主事


・実践報告
実態把握や指導内容の重点化を中心とした国語(小学校各教科)の指導
有井 香織
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭

肢体不自由と知的障害を併せ有する児童生徒の国語科における授業づくり
―育成を目指す三つの資質・能力の視点から―
池田 舞湖
長崎県立諫早特別支援学校教諭

論理的な思考を育てるための教材を用いた高等部生徒への数学指導の実践
小田 紀子
横浜市立上菅田特別支援学校主幹教諭

自立活動を主とした教育課程を履修する児童生徒への
算数・数学(特別支援学校〈知的障害〉各教科)の指導
―指導内容の設定及び教材の工夫―
前岡 圭太
鹿児島県立皆与志養護学校教諭
・連載講座 多様な障害に対応する特別支援教育の基礎(4)
視覚障害教育の基礎・基本
金子 健
国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員
・〈基礎知識〉「障害のある子供の教育支援の手引」を読み解く 2
障害のある子供の早期からの一貫した支援
日本肢体不自由教育研究会 編集委員会
・ちょっといい話 私の工夫
人との関わり方の大切さ
―なかよしタイム(特別の教科「道徳」)における取組―
田島 朋美
高知県立高知若草特別支援学校教諭
・特別支援教育の動向
第六十四回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会・校長会合同研究大会
(大分大会・Web開催)
空岡 和代
全国肢体不自由特別支援学校 PTA連合会会長
・各地の特別支援教育〈鹿児島県〉
鹿児島県の肢体不自由教育の取組
大山 直美
鹿児島県教育庁義務教育課 特別支援教育室 室長
・図書紹介
新たな時代における自立活動の創成と展開
―個別の指導計画システムの構築を通して―
■次号予告
■編集後記