日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.254

教科指導の充実 ―社会、理科、外国語(英語)の指導―

 本号は、前号に引き続き「教科指導の充実」を特集のテーマとし、社会、理科、外国語(英語)の指導を取り上げました。

 巻頭言では、各教科の内容に加えて、教科学習を通して身につける力がとても多いことに、教員として大変勇気づけられました。

 論説、実践報告ともに、各教科の学びを通して、肢体不自由の子供に「このように育ってほしい」「こんなことができるようになってほしい」という願いを強く感じました。論説では、各教科で育てるべき三つの資質・能力を踏まえ、肢体不自由児の困難をおさえて解説していただきました。実践報告では、子供の実態に合わせた、丁寧な教材研究や実践の様子を紹介していただきました。教えたい内容について、その理解を教師が十分に深め、「これを伝えたい」という強い思いのもとに授業を展開することで、子供の学びが充実することを改めて思いました。

 本号が教科の指導に悩む先生方のヒントとなれば幸いです。

(武部 綾子)

 

・巻頭言
学校で身につけたい力について
吉村 隆樹
(株)ラボテック


・論説
知的障害を併せ有する肢体不自由児への各教科の社会の指導
石田 周子
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭

各教科の理科における肢体不自由児への指導
齋藤 豊
筑波大学附属久里浜特別支援学校副校長

各教科の外国語(英語)における肢体不自由児への指導
渡邉 万里
福島県教育庁特別支援教育課指導主事


・実践報告
各教科の社会(中学部)における指導内容を適切に設定し重点を置く事項を明らかにした実践
木村 美佳子
筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭
(前:青森県立青森第一養護学校教諭)

校舎周辺の野外教材を活用した理科の授業実践
緑  鉄洋
富山県立富山総合支援学校教諭

伝えることの楽しさと喜びを感じることができる外国語(英語)の授業づくり
及川 恵貴
岩手県立盛岡となん支援学校教諭

・連載講座 多様な障害に対応する特別支援教育の基礎(5)
発達障害教育の基礎・基本
笹森 洋樹
国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員
・〈基礎知識〉「障害のある子供の教育支援の手引」を読み解く 3
肢体不自由児の教育の場と教育機能
日本肢体不自由教育研究会 編集委員会
・ちょっといい話 私の工夫
自立活動を主とする教育課程で学ぶ児童の算数の授業実践について
─聴覚と触覚を生かした教材の工夫─
寺田 佳子
長崎県立佐世保特別支援学校教諭
・特別支援教育の動向
「第六十七回全国肢体不自由教育研究協議会(富山大会)」の報告
西田 弥佳
第六十七回全国肢体不自由教育研究協議会 富山大会実行委員長
富山県立富山総合支援学校長
・各地の特別支援教育〈新潟県〉
新潟県の特別支援教育に関する近年の動向
古野 芳毅
新潟県立吉田特別支援学校 教諭
・図書紹介
インクルーシブ教育システム時代の就学相談・転学相談
一人一人に応じた学びの実現を目指して
■次号予告
■編集後記