日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.257

小・中学校における肢体不自由児の学びの工夫

 本号では「小・中学校などにおける肢体不自由児の学びの工夫」を特集のテーマとしました。

 巻頭言及び論説で、小学校・中学校での肢体不自由のある児童生徒の状況や指導上の課題、インクルーシブ教育システム構築を具現化する仕組づくりや、インクルーシブ教育システムの理念の実現に向けて必要な視点などについて述べていただきました。

 肢体不自由のある児童生徒の教育の充実のためには、あらためて学校内の組織的な取組や小学校・中学校と、特別支援学校や医療機関を含む関係諸機関との連携・協力が重要であると感じました。実践報告では、小学校と中学校での実践、特別支援学校におけるセンター的機能の取組を紹介しています。

 本特集を参考にしていただき、小学校・中学校などにおける肢体不自由児の学びの充実につなげていただければ幸いです。

(熊井戸 佳之)

 

・巻頭言
肢体不自由児の視点を大切にした特別支援教育
喜多 好一
江東区立豊洲北小学校統括校長
全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会会長


・論説
肢体不自由のある児童生徒の指導及び支援のための地域資源の活用
吉川 知夫
国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員

インクルーシブ教育システムを具現化する仕組づくり
岡田 哲也
二松学舎大学教職課程センター教授


・実践報告
お互いの違いを認め合い活動する子供たちと学校と関係機関が共に作り出す交流学習
大杉  守
豊田市立畝部小学校教諭

中学校肢体不自由特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習
本多美奈子
盛岡市立上田中学校指導教諭
橋 直子
盛岡市立上田中学校教諭

早期教育相談教室「あ・そ・び・ば」の取組と関係機関等との連携
鈴木 聡子
福島県立平支援学校教諭

・研究大会報告
第46回日本肢体不自由教育研究大会を終えて
西川 公司
大会会長
(特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会理事長)
・連載講座 特別な配慮や支援が必要な子ども(3)
マルトリートメント(不適切な養育)などの厳しい家庭的・社会的状況に置かれる子ども
竹内 麻子
愛媛大学教育学部特別支援教育講座 助教
・〈基礎知識〉 生涯学習の基礎知識3
愛媛大学における重度・重複障害者等の生涯にわたる学びの場づくり
苅田 知則
愛媛大学教育学部教授・教育学部附属インクルーシブ教育センターセンター長
・ちょっといい話 私の工夫
卒業後を見据えた指導と支援
―身辺自立に向けた排泄指導の試行錯誤―
村松 竜
山梨県立あけぼの支援学校教諭
・特別支援教育の動向
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の研究活動及び事業の紹介
北川 貴章
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 主任研究員
・各地の特別支援教育〈九州北部地域〉
九州北部地域での研究会の取組―特別支援学校教員と大学教員の連携・協力―
徳永 豊
福岡大学人文学部教授
・図書紹介
障害の重い子どもの授業づくり 最終章
―授業改善への道筋を照らす指導・助言のコツ―

論理的思考力を育てる!
書く力・考える力アップワーク

動作訓練の技術とこころ
―障害のある人の生活に寄りそう心理リハビリテイション
・トピックス
第39回障害児摂食指導講習会報告
武井 純子
東京都立墨東特別支援学校
・お知らせ
本研究会評議員を委嘱
特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会
■次号予告
■編集後記