日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.262

キャリア発達と支援

 学校では今日の社会の変化に対応したキャリア教育が求められています。巻頭言では一人一人の人生の歩みに寄り添っていくことの尊さを教えていただき、論説では、キャリア・パスポートという用語の導入の経緯から目的、そして活用のポイントについて解説いただきました。また、実践報告では、キャリア・パスポートの実際の活用についての実践、学校全体としてのキャリア教育の取組、そして重度・重複障害のある生徒のキャリア発達支援の実践を、それぞれ大変丁寧に報告いただきました。一つ一つの報告から、子供と「対話」を続け、子供の「内面」や「思いや願い」に大事に向き合っていくことの大切さを改めて強く感じました。

 これからの社会は、テクノロジーの発達によって肢体不自由のある方の可能性も、より一層豊かに広がっていくことと思います。だからこそ本号でご執筆いただいた先生方のように、対話を続け、自分自身が学び成長しながら子供の人生を応援していく、伴走者としての教師でありたいと感じました。

 本号が、子供と共に歩むことを願う先生方の目に留まり、日々の指導に活用されていくことを願っています。

(柳沼 佑介)

 

・巻頭言
障害がどんなに重くても伝えたい 学びたい 働きたい
相澤 純一
NPO法人訪問大学おおきなき理事長


・論説
肢体不自由教育におけるキャリア・パスポートの意義と活用
菊地 一文
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻教授


・実践報告
特別支援学校(肢体不自由)におけるキャリア・パスポートを活用した授業実践
石川 和博
群馬県立あさひ特別支援学校教諭

学校全体で取り組むキャリア教育
 ―学びの連続性・系統性を目指して―
武 千夏也
横浜市立上菅田特別支援学校教諭

重度・重複障害学級の生徒のキャリア発達支援
甲斐 なつ
山口県立下関総合支援学校教諭


・研究大会報告
第四十七回日本肢体不自由教育研究大会を終えて
西川 公司
大会会長(特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会理事長)

・連載講座 ケアを必要とする人の家族支援(1)
きょうだいの経験から
沖潮 満里子
青山学院大学教育人間科学部心理学科准教授
・〈基礎知識〉「医療的ケアの展開」3
医療的ケアに関する法的取扱いの変遷
下川 和洋
特定非営利活動法人地域ケアさぽーと研究所理事
・〈基礎知識〉「医療的ケアの展開」4
教育活動を支える医療的ケアであるために
下川 和洋
特定非営利活動法人地域ケアさぽーと研究所理事
・ちょっといい話 私の工夫
意欲的に言葉を学べるiPad版ワンタップ教材アプリ「どーれかな?」(〇×問題版)の開発
 ―好奇心が高まる、学びが深まるための工夫―
北村 京子
三重県立度会特別支援学校教諭
・特別支援教育の動向
第六十六回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会
PTA・校長会合同研究大会(栃木大会)
有吉 万里矢
全国肢体不自由特別支援学校 PTA連合会会長
・各地の特別支援教育〈福島県〉
福島県の特別支援教育と肢体不自由教育
渡邉 弘規
福島県立会津支援学校副校長
・トピックス
本研究会初代理事長 村田茂氏のご逝去を悼む
西川 公司
日本肢体不自由教育研究会理事長
・お知らせ
「第四十回障害児摂食指導講習会」報告
武井純子
前東京都立墨東特別支援学校
・図書紹介
特別支援学校が目指すカリキュラム・マネジメント

・お知らせ
令和四年度 事業・会計報告

特定非営利活動法人 日本肢体不自由教育研究会
■次号予告
■編集後記