日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.264

よくわかる摂食指導の基礎・基本

  令和六年度初頭号となる本号は、「よくわかる摂食指導の基礎・基本」と題し、肢体不自由教育に携わる方の実践の助けとなる特集を目指し、編集しました。

 大人にも子供にも、「食べること」はごく身近で大切なものです。本誌の巻頭言、論説、実践報告では、この「食べること」を指導するにあたって、多くの示唆を与えてくれます。

 「食べるって楽しい」と題された巻頭言では、給食を楽しみにする子供の姿が示されます。教員として励まされる思いがしました。また、二本の論説には、摂食指導の専門的な事柄が丁寧に分かりやすく示されました。これまでに接した子供たちの様子に照らしながら、学ばせていただきました。四本の実践報告では、それぞれの先生方の学校課題や子供の捉え方が丁寧に描かれています。地道な取組が、学校や子供の変化に確実に結びついていくことを実感しました。読者の皆さんにとって、本号が毎日の摂食指導に資すれば、幸いに思います。

(武部 綾子)

 

・巻頭言
食べるって たのしい
堀江 浩子
東京都立鹿本学園校長(前東京都立花畑学園校長)


・論説
摂食機能の発達と支援
綾野 理加
昭和大学歯学部小児成育歯科学講座兼任講師

子どもの自食の指導
西方 浩一
文京学院大学保健医療技術学部 作業療法学科教授


・実践報告
摂食指導を支える学校の組織づくり
青木 菜摘
北海道拓北養護学校自立活動教諭

摂食指導におけるスキルアップを目指した実践
 ―子どもが、安全で、個に応じた食事指導―
飯田 佐代子
埼玉県立越谷特別支援学校教諭

安全かつ食べることの楽しさを共有できる摂食指導
大野 雅也
神奈川県立えびな支援学校教諭

学校における安全な摂食指導を目指して
岩瀬 まり
東京都立永福学園主幹教諭
・連載講座 障害の重い子供のコミュニケーション指導 (1)
コミュニケーションマップの概要
三室 秀雄
元東京学芸大学教職大学院特命教授
・〈基礎知識〉 初期の育ち(感覚と運動)の理解と支援の基礎知識 1
感覚と運動の高次化理論概要 ―初期の子どもの育ちを理解する
冨澤 佳代子
淑徳大学発達臨床研究センター研究員
・ちょっといい話 私の工夫
高等専門学校と連携した教育活動
宮本 慎太郎
山口県立周南総合支援学校教諭
・特別支援教育の動向
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の研究活動及び事業の紹介
吉川 知夫
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員
・各地の特別支援教育〈兵庫県〉
兵庫県の肢体不自由教育の取組
橋本 正巳
兵庫大学教育学部教授
・トピックス
令和六年度 特別支援教育関係研究会の予定
■次号予告
■編集後記