日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.265

授業におけるICT活用

 今やパソコンは文房具、と言われて久しいです。この特集でも学校ではICT機器が普及していることを前提としています。

 一方で、巻頭言や論説で述べられているように、発揮すべき教師の専門性を思うとき、授業者にとってICT機器の使用が高いハードルになっているようです。

 まずは、アクセシビリティを実現するポイントや、支援機器の情報が入手できますので、各論考を講読していただければうれしく思います。そして、各論考の内容を踏まえた上で、むしろ最初からICT活用ありきというより、授業における指導の目標や目的、指導の手だて、教材・教具のことなど、授業づくりの原点に立ち戻ってみてはどうでしょうか。もちろん、授業者が一人で悩まずに同僚間で支え合っていきましょう。ICT機器の活用と言っても、何か特別の授業を生み出すというものではないはずですから、解決の糸口は見つかるはずです。

 改めて、ICT活用に係る各論考が、授業づくりの手がかりとなることを願っています。

(尾ア 至)

 

・巻頭言
支援技術としてのICTを活用した教育への期待
福島 勇
独立行政法人国立高等専門学校機構
熊本高等専門学校特命教授


・論説
肢体不自由教育におけるICT活用 ―その意義と今後の展望―
金森 克浩
帝京大学教育学部教授

再考ICT活用 実践で大事にしたいこと
杉浦 徹
東北福祉大学教育学部准教授


・実践報告
肢体不自由教育における授業とデジタル教科書の可能性
内藤 真穂
東京都立城南特別支援学校主幹教諭

AR技術を活用した生活単元学習
直井 年輝
福島県立いわき支援学校教諭
(前福島県立会津支援学校教諭)

生活単元学習におけるICT機器を活用した協働的な学びの学習
磯上 里美
宮崎県立清武せいりゅう支援学校教諭

個に応じたICTのアクセシビリティ機能を活用した国語科の授業
山口 拓哉
福岡市発達教育センター指導主事
(前福岡市立今津特別支援学校主幹教諭)
・連載講座 障害の重い子供のコミュニケーション指導 (2)
表情・動作でのコミュニケーション ―YES/NOと動作等によるコミュニケーション
三室 秀雄
元東京学芸大学教職大学院特命教授
・〈基礎知識〉 初期の育ち(感覚と運動)の理解と支援の基礎知識 2
感覚を受け止める過程を支援する
冨澤 佳代子
淑徳大学発達臨床研究センター研究員
・ちょっといい話 私の工夫
生活介護施設でのICTを活用した生涯学習
津田 貴
株式会社CMU Holdings 代表取締役
・特別支援教育の動向
文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する
対応指針の改正、及び令和六年度特別支援教育関係予算の概要
菅野 和彦
文部科学省初等中等教育局視学官(併)特別支援教育課特別支援教育調査官
・各地の特別支援教育〈群馬県〉
群馬県の特別支援教育(肢体不自由教育)に関係する取組
橋 順子 ・ 星  裕貴
群馬県立あさひ特別支援学校 教諭
・図書紹介
肢体不自由教育実践 授業力向上シリーズ No. 11

重度・重複障害児の学習とは? Vol. 2

見て、聞いて、触って、動いて
 多感覚で楽しむストーリーテーリング
■次号予告
■編集後記