日本肢体不自由教育研究会
 

肢体不自由教育 No.269

安全で効果的な校外行事

 学校生活の思い出はなんですか、と聞かれたら、校外学習を挙げる人はたくさんいることでしょう。

 今回のテーマで、現在自立生活のためのセンター代表の秋元氏に、学生時代の経験をもとに、当事者の立場から巻頭言をいただきました。

 また、論説では、長く肢体不自由教育に携わられたご経験のある島添氏、立花氏にご執筆いただきました。校外学習はコロナ禍で一度制限され、加えて、働き方改革、教員の世代交代なども重なり、培われてきた専門性が継承されにくくなっています。改めて、大事な点をご提示いただきました。

 3校の実践報告では、各校の様々な配慮や工夫を伺いました。

 最後に、肢体不自由のある子供たちを校外学習に引率する時に欠かせない「再調理」について、阿部氏の長い現場経験から、貴重なノウハウをご紹介いただきました。

 子供の成長につながる校外学習は、安全に行われることが必須ということを改めて肝に銘じた次第です。

(尾ア美恵子)

 

・巻頭言
校外学習が生活で活かされたこと
秋元 妙美
CILちょうふ代表


・論説
特別支援学校における校外学習の意義と課題
島添  聡
東京都立光明学園統括校長

肢体不自由児の校外行事の計画・実施における基本と工夫
立花 裕治
神奈川県教育委員会教育局支援部 特別支援教育課長
(前神奈川県立鎌倉支援学校長)

・実践報告
校外学習での気づきや学びを生かした学習活動の展開
徳永 光真
広島文化学園大学学芸学部准教授
(前静岡県立吉田特別支援学校教諭)

山下  蛍
静岡県立吉田特別支援学校教諭

小学部修学旅行の取組について
―医療的ケアが必要な児童生徒への工夫や配慮―
近藤 宏樹
大阪府立交野支援学校教諭

安心安全な校外学習を目指して
―隣接する医療機関との連携をとおして―
西田 一成
鳥取県立皆生養護学校主幹教諭

・コラム
校外学習や宿泊学習など校外での再調理について
阿部 晴美
地域ケアさぽーと研究所外部支援員

・連載講座 障害のある子供のデジタル端末の利用と留意点 (2)
情報モラル指導に活用できる体験的な教材
新谷 洋介
金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科教授
・障害児福祉の基礎知識 2
現状の福祉制度と今後の障害児支援について
岡ア 俊彦
こども家庭庁支援局障害児支援課移行支援専門官
・ちょっといい話 私の工夫
上肢を意欲的に動かして使う力を高めるための取組
―課題関連図の活用を通して―
齊藤 香子
岩手県立盛岡となん支援学校教諭
・特別支援教育の動向
中央教育審議会の動向、令和七年度特別支援教育関係予算、インクルーシブな学校運営モデル事業の二年目の取組等について
菅野 和彦
文部科学省初等中等教育局視学官(併)特別支援教育課特別支援教育調査官
・各地の特別支援教育〈秋田県〉
秋田県の肢体不自由教育
藤原 恵理子
秋田県立秋田きらり支援学校教諭(兼)教育専門監
・図書紹介
授業を豊かにする筑波大附属特別支援学校の教材知恵袋 ―応用・発展編―

特別支援教育の基礎・基本 第4版

肢体不自由教育実践 授業力向上シリーズNo 12
「肢体不自由のある児童生徒のための授業」を究める

■次号予告
■編集後記