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決定版!
特別支援教育のためのタブレット活用
−今さら聞けないタブレットPC入門−
金森 克浩 編著 |
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A5判、173ページ |
本体価格(2,100円)+税 |
ジアース教育新社 |
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特別支援教育において、ICTの活用は専門性の一つであるといえるほど、ICTを活用した指導や支援が普及してきました。中でも、iPadをはじめとするタブレット端末は、その直感的な操作性や、教育用アプリケーション(以下、アプリ)が豊富に揃っていることなどから、学校現場への導入が進んでいます。この本では、各種タブレット端末の基本的な操作方法から、特別支援教育に活かすことができる機能や実践事例などが紹介されています。
操作の基礎を確認できる
タブレット端末には、大きく分けてiOS、Windows、Androidの3つのOS(オペレーションシステム)が存在します。OSとは簡単に言えば、そのタブレット端末が動作するための最も基本的なシステムのことです。それぞれのOSには特徴があり、基本操作も、OSにより異なります。第1章と第2章では、OSやタブレット端末の基本操作などについて、写真やイラストなどを用いて、分かりやすく解説しています。
特別支援教育で活かせるアクセシビリティ
画面の文字を読み上げたり、画面の状況を音声で知らせたりする「Voice Over」は、視覚的な困難のある人や、文字だけでは分かりにくい人にとって役立つ機能です。その他にも、本来複数の指を使って行うピンチ(画像等を拡大する)などの操作を、ワンボタンで行えるように設定できる「Assistive Touch」など、アクセシビリティと呼ばれる機能が、iOSには備わっています。アクセシビリティとは、障害の有無に関わらず、誰もが、タブレット端末にアクセスしやすいようになる機能のことです。
アプリの中にも、アクセシビリティ同様、障害による困難を補う機能をもつものが、沢山あります。写真を撮ると、その被写体を認識して言語で教えてくれるもの、瞬きの動きで五十音を選択して、コミュニケーションに活かすものなどです。第2章の後半では、各OSのアクセシビリティや、アプリについて詳しく紹介されています。また、それらが視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などの障害種別で整理されていることも特徴です。
全国の最新の実践事例を紹介
ある学校では、生徒がより積極的に授業に参加できるように、タブレット端末を用いて、授業で使う資料をリアルタイムでやりとりをしている実践を行っています。その他、理科の授業では、顕微鏡と組み合わせてより正確な観察をしたり、美術の授業では、タブレット端末でラジコンボールを動かし、巨大な絵を描いたりするなどの実践が行われており、第3章では、それらの実践が紹介されています。
この本は、これからタブレット端末の活用をはじめようとする人はもちろん、すでに使い慣れている人にとっても役立つ本です。
(埼玉県立熊谷特別支援学校 内田 考洋)
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