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小学校・中学校通常の学級の先生のための手引き書
―通級による指導を通常の学級での指導に生かす―
独立行政法人 国立特別支援教育研究所 編著 |
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A4判、68ページ |
本体価格1,500円+税 |
ジアース教育新社 |
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小学校学習指導要領等が改訂され、通級による指導を受ける児童生徒について、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成と活用が明示されました(平成29年3月告示)。通級による指導を受ける児童生徒は、年々増加傾向にあり、高等学校においても、平成30年度より導入されました。このように、今後ますます通級による指導の充実が求められるようになっています。 本書は、通級による指導(通級指導教室)に通う児童とその学級担任を中心に、一年間を通して、「どの時期」に、「どのような内容」に取り組めば良いかが、実施例としてストーリー仕立てで書かれています。
学びの場「通級による指導」
第1章では、通級による指導について、対象となる障害や指導時数、教育課程などの基本事項が簡潔に示されています。 第2章では、個別の指導計画、個別の教育支援計画の作成について、実態把握の方法や作成手順について書かれています。特に、通級による指導を受けている児童生徒は、2つの場所で指導が行われていることから、「在籍学級で目指すことと、通級で目指すことを共通理解しながら作成する過程でなされる先生同士の話し合いが何より大切」と述べられています。 また、一年間の成長や有効な手立てを引き継ぐためにも、指導計画が重要な役割を担っていること、が記されています
教員連携の重要性
第3章では、学級担任と通級による指導の教員との連携について、ポイントと具体例が挙げられています。 本書の冒頭でも、「通級による指導をより効果的にして行くには関係者の密な情報共有が何よりです」と述べられているように、子供を担当する教員間の情報共有は、重要なポイントの一つです。具体的な取組として、定期的な場の設定、日常的に行う連絡ノートの活用、通常の学級と通級指導教室の相互の授業参観の必要性などが記載されています。 また、教員間の連携は、保護者と教員との信頼関係づくりを進める上でも、児童生徒の成長にとって大切なことが強調されています。
管理職のリーダーシップ
第4章では、校内支援体制の整備や研修会の設定など、管理職のリーダーシップの必要性や、教育委員会による体制整備のポイントが提示されています。
本書は、初めて、通級による指導を受けている児童生徒の学級担任には、必携の図書です。熟読することを勧めます。加えて、小学校・中学校・高等学校の管理職や特別支援教育コーディネーター、そして、特別支援学校の特別支援教育コーディネーター(巡回指導など)等、通常の学級の学級担任を支援する方々にも役立つ1冊となります。
(青森県立青森第一高等養護学校 島津 裕子)
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