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知的障害教育における生きる力と学力形成のための教科指導
渡邉健治監修・岩井雄一他編著 |
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B5判、188ページ |
本体価格2,000円+税 |
ジアース教育新社 |
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平成29年3月、特別支援学校の学習指導要領改訂案が公表されました。改訂のポイントには、@学びの連続性を重視した対応、A一人一人に応じた指導の充実、B自立と社会参加に向けた教育の充実、が挙げられています。知的障害教育における各教科に関しては、各教科の目標及び内容において、中学部では一段階であったのが、二段階に改められたのが大きな改訂点となっています。 本書では、知的障害のある子供たちの「生きる力」を育てるためには、学力が不可欠である、と述べられています。知的障害のある子供たちの「生きる力」を正面に捉え、「生きる力」を育む教育実践が、少しでも前に進むことを期待する書籍となっています。 第1部 生きる力の形成 第1部では、文部科学省が進める「生きる力」について、機械的に導入するのではなく、障害の重い子供を想定した構造化が必要である、と述べられています。その上で、知的障害教育における「生きる力」の3要素について解説されています。 また、自立の概念と自立活動の検討についても、歴史的な変遷も踏まえて説明されています。インクルーシブ教育と「生きる力」との繋がりや具体的な授業実践、聴覚障害教育、病弱教育の視点から考える「生きる力」の育成についても、学ぶことができます。 第2部 生きる力と教科の力の育成 平成29年4月に特別支援学校の新学習指導要領が告示されました。改善・充実の方向として、@各教科において育成を目指す資質・能力の3つの柱は、小学校等の各教科と同じであることを明確に示すこと、A小学校等の各教科の目標・内容との連続性・関連性を整理すること、B各教科等の学習を通して育成する資質・能力を明確にして指導を行うこと、が求められています。 このことを踏まえ、第2部では、「生きる力」を育てるために、各教科等を合わせた指導の取り扱いが解説されています。また、小・中学部、高等部、卒業後のそれぞれのキャリアで、「生きる力」についての実践も紹介されています。 第3部 知的障害教育における教科指導 第3部では、知的障害教育における教科指導の解説が行われており、教科の基礎・基本を押さえて、授業構成について学ぶことができます。また、算数・国語の具体的な指導例も紹介されています。 本書は、「生きる力」を育む特別支援教育ついて、知的障害教育の側面から理論的・実践的に学ぶことができる内容となっています。また、知的障害教育の変遷や学習指導要領等についての説明も充実しています。現在の知的障害教育を知るためにも、一読することをお薦めします
(埼玉県立和光特別支援学校 園田 力斗)
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