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特別支援教育の視点で考える 新学習指導要領ポイントブック
宮崎英憲監修 齋藤忍著 |
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B5判 113ページ |
本体価格1,700円+税 |
ジアース教育新社 |
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本書は、小学校の特別支援教育コーディネーターの経験がある著者が、その経験を活かし、通常の学級、特別支援学級、通級による指導を担当する先生や、特別支援学校の特別支援教育コーディネーター向けに執筆されました。私自身も特別支援教育コーディネーターとして訪問支援を担当していますが、本書は、その業務にすぐに役立つ内容が多くありました。
通級による指導等への理解促進
特別支援学校勤務が長くなると、指導法等の知識は蓄積される反面、いざ小学校等に訪問支援に行くと、教育課程や教育環境の違いに戸惑うことも少なくありません。特に、通級による指導の実態については、訪問支援の中で初めて目にするコーディネーターも多いと思います。 本書の第1章では、新学習指導要領改訂を受け、特別支援学級及び通級による指導における特別の教育課程について解説しています。また、通級による指導について、全教職員で共通理解を図る具体的な方策についても提案しています。 具体的な指導場面の写真も多く、特別支援学校のコーディネーターが特別支援学級及び通級による指導について理解する際に、重宝します。さらに、小学校等の訪問支援で経験年数の浅い学級担当の先生に、特別の教育課程を説明する資料にもなります。
学校全体での支援の提案
第2章では、個別支援の前に行いたい学校全体での特別支援教育への理解の促進や、学習環境の整備について解説しています。特に、学級運営の工夫については、学級のルールの明確化や見通しをもてる工夫等の項目に分け、実践例を写真等で示しながら提案しています。 また、特別支援教育に対する正しい理解を促す校内研修会のポイントについても示されています。
個々の困難さに着目した支援
第3章では、教科別に、一人一人の困難さに応じた指導アイディアが具体的に示されています。また、第四章は、補足資料として、新学習指導要領解説各教科等編に示された配慮例を整理しています。 困難事例とそれに対する手立ての提示だけでなく、児童生徒が抱える困難さや、指導上の工夫の意図についても説明されており、Q&A方式で目の前の児童生徒の困難を解決するだけでなく、様々な児童生徒がもつ困難さを見極める視点づくりにも役立ちます。もちろん、指導の手立てについては、具体的な教材やその使い方等を写真等で分かりやすく示されています。 特別支援教育初心者も、ベテランのコーディネーターも必携の一冊です
(山梨県立甲府支援学校 保坂美智子)
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