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特別支援教育のステップアップ指導方法100
―子供の自己理解・保護者の理解を促すためのアプローチ―
三浦光哉編著 |
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B5判 184ページ |
本体価格2,000円+税 |
ジアース教育新社 |
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本書は、特別支援教育に関わる教師が、日頃から指導に困難さを抱えていたり、悩みを抱えていたりする100の事例について、Q&A方式で、指導のポイントや指導方法と、その段階を具体的に示しています。事例についても、学級経営や学習支援、生徒指導、進路、不適切行動、家庭環境など、多岐に渡っています。
本書は、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校など、特別支援教育の様々な場において活用できると思います。
子供の行動の背景を探る
本書のサブタイトルは、「子供の自己理解・保護者の理解を促すためのアプローチ」となっています。子供の行動上の問題にどのような背景があるのかを分析するとともに、保護者に対してどのように協力を促していくか、本書の中からヒントが得られると思います。
子供の認知処理のタイプや発達検査の種類とその概要、子供たちの代表的な疾患や服薬の種類などの理論的な内容についても、簡潔に解説されています。
各Q&Aで取り上げられている指導方法について、手順が具体的に記され、教材が写真や図で示されるとともに、個別面談等の内容例も示されているので、子供や保護者へのアプローチの方法を、読者はイメージしやすいのではないでしょうか。本書で示しているように、子供の行動の背景を理解することは、指導方法を考えていく上でも、重要であると思います。
本書の使用方法
本書の各事例について、それぞれの悩みを解決する指導方法として、「ステップ1」「ステップ2」「ステップ3」と三つのレベルに分けて説明されています。
本書の解説によると、「ステップ1」について「すでに指導されているものもあるかもしれないが、再度確認し、確実に取り組んでいただきたい内容」、「ステップ2」は「これまでに取り組んでいないような理論的な内容を含み、工夫次第で取組みが可能な指導方法」、「ステップ3」は「マニアックな指導方法で、教育現場ではなかなか指導できない内容かもしれないが、果敢に挑戦してほしい内容」となっています。
現在の学校では、ベテランの先生方が退職し、若手の先生方が増えている学校も多く、指導にあたる上で、子供の行動上の問題をどのように解決していくか、悩んでいる先生方も多いと思います。
子供の行動上の問題にどのように対処していくか迷った時に、本書はその子供の行動の背景を理解し、アプローチ方法へのアイディアを与えてくれると思います。だだし、子供の状態や家庭環境、学校の状況も様々であり、指導にあたっては、子供や保護者との信頼関係も重要であることに、留意していただければと思います。
ぜひ本書をお読みいただき、各指導方法を参考に、日々の実践に役立てていただきたいと思います。
(東京都立城東特別支援学校 熊井戸佳之)
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