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子どもの学びからはじめる特別支援教育のカリキュラム・マネジメント
―児童生徒の資質・能力を育む授業づくり―

鹿児島大学教育学部
肥後祥治・雲井未歓・廣瀬真琴・
鹿児島大学教育学部附属特別支援学校 編著
 

B5判 132ページ

本体価格1,900円+税

ジアース教育新社
平成29年に特別支援学校幼稚部・小学部・中学部の学習指導要領等が、また31年に高等部の学習指導要領が改訂され、「カリキュラム・マネジメント」の重要性が示されました。現場からは戸惑いの声も聞かれる中、本書は、鹿児島大学教育学部附属特別支援学校において、定期的な校内研究と鹿児島大学との共同研究等を整理し、以下の点に配慮して編集されました。
1 授業づくりに悩む教員や学生に分かりやすく、指導する立場の教員にも活用できる。
2 研究授業を行う際の工夫や学習指導案の作成に生かすことができる。
3 資質・能力を育む様々な実践を示し、授業づくりの参考にできる。

第1章 特別支援教育とカリキュラム・マネジメント
第一節では、改訂までの経緯と基本的な考え方、特別支援学校学習指導要領における改訂のポイントについて、第二節では、育てたい資質・能力の三つの柱についてまとめています。
第三節では、新学習指導要領ではカリキュラムについて十分な解説がないことから、教育課程とカリキュラムの関係を整理した本校の捉え方を述べています。

第2章 本校のカリキュラム・マネジメントの取組
本章では、本校で大切にしてきた授業づくりのPDCAを基に、「児童生徒に育てたい資質・能力の視点」をどのように授業づくりに組み込むかを説明しています。
一節では、3つのPDCAサイクル(教育課程編成、授業づくり、授業実践)の関連を述べ、二節から五節で、それらの計画の意義と作成の特徴、授業研究の取組、年間計画の評価とその方法を、具体的に紹介しています。

第3章 資質・能力を育む授業実践
本章では、本校の児童生徒に育てたい力(資質・能力)を2つの視点(教育課程、社会や教師の描く児童生徒像)から整理し、12年間を見据えた形にまとめています。それを基に、12の事例を挙げながら、カリキュラム・マネジメントと授業づくりの視点で説明しています。

資料 教育課程の編成
教育課程編成の基本方針や共通理解事項、各教科等の基本的な考え方が、コンパクトにまとめられています。

コラム
9つのテーマで、大学の先生方からの助言が、論理的に述べられています。
本書には、特別支援教育に携わる教員や学生に、研究や実践の参考にしてほしいという、編者の願いと期待がこめられています。ぜひ手元に置いて、ご活用ください。

(東京都立北特別支援学校 木村直美)