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知的障害のある子どものための国語、算数・数学 「ラーニングマップ」から学びを創り出そう
山元 薫・笹原 雄介 編著
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B5判 89ページ
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本体価格2,200円(税込)
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ジアース教育新社 |
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本書は、特別支援学校で実践を積み重ねてこられた大学の先生と、現場でご活躍されている特別支援学校の先生が執筆されており、知的障害のある子どもたちの「学び」をテーマに、次の日からの授業づくりに活用できるものになっています。
ラーニングマップとは
知的障害のある子どもたちの教科指導をする上で、各教科の指導内容のつながりをどう理解したら良いのか、目標や内容のスモールステップの設定の仕方等、現場ならではの悩みについて、現場で取り組みしやすいように、系統立てて整理したものがラーニングマップです。具体的には、学習指導要領に示された各段階(小学部3段階・中学部2段階、以下同様)の中核となる学習内容と発達的基盤を関連づけて、発達に沿った学びができるとしています。ラーニングマップを活用すると、@知的障害のある子どもたちの教科の国語、算数・数学の系統性が分かる、A知的障害のある子どもの学び方が分かる、B学習状況の把握ができる、C目標設定ができる、D単元構想や年間指導計画のヒントが得られる、というメリットがあるとしています。 筆者が実際に活用してみると、学習状況の把握ができると同時に、その背景にある発達上の一般的な課題(本書では、発達的基盤)を読み取ることができ、発達段階を踏まえた学習状況の理解に役立ちました。
活用の仕方について
本書の後半部は、ラーニングマップの活用方法と活用事例が掲載されています。活用方法の一部を取り上げると、「学習目標の設定」では、個々の子どもに応じて、必ずしも「今できていない(達成していない)こと」を目標として設定する必要はなく、「今できていること」をベースにして幅を広げていくことも大切である等が述べられています。また、「段階ごとの学び方に応じた授業づくりのキーポイント」では、各段階の学習のキーポイントが一〜二つ程度で示されているため、各段階で何を学べば良いかの目安をつけやすくなっています。また、各段階における学び方に応じた授業づくりのチェックポイントがあり、系統的に把握できるのも特徴的です。
知的障害教育の教科指導
本書の執筆にあたり、筆者らは先行研究として、知的障害教育の歴史的背景から、今後の教科指導について、検討・報告をしています。今後は、指導形態(各教科等を合わせた指導・教科別の指導等)に関わらず、学習指導要領に示された各教科の資質・能力を確実に育て評価することが必要だと述べています。 目の前の子どもの学びの地図をどのように描いていくか、本書は、その参考となる一冊です。
(千葉県立四街道特別支援学校 山田康朝)
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