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新たな時代における自立活動の創成と展開 ―個別の指導計画システムの構築を通して―
安藤 隆男 著
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A5判 204ページ
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本体価格3,080円(税込)
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教育出版 |
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著者の安藤隆男先生は、四十年にわたり、一貫して肢体不自由教育の研究の道を歩んできました。養護学校(現在の特別支援学校)教員としての教育実践に始まり、大学での教員養成、現職教員への指導を通して、常に学校をフィールドとして、肢体不自由教育学の構築に尽力されました。とりわけ、自立活動については、養護・訓練という名称だった頃から、常に先を見据え、現在の「個別の指導計画」につながる指導システムの構築に関わる研究を進めてきました。
本書で展開される内容は、安藤先生のこれまでの研究の集大成となっています。
自立活動の成立と関係諸規定の整備
第一部では自立活動の過去、現在、未来について整理されています。戦後、盲、聾、養護学校が設置され、義務化されてきた経緯、そして昭和四十六年の養護・訓練の誕生、それらが自立活動として引き継がれてきてどのような理念で成り立っているのかが記されています。
その上で、現在のインクルーシブ教育システム下における自立活動にどのように繋がっているのか、関係諸規定の整備も含めてその意義と展開が述べられています。
「個別の指導計画」システムの構築と授業への接続
第二部では、自立活動の指導に当たって作成が義務付けられた「個別の指導計画」について、その定義や作成義務化の背景、目的が整理され、現状と課題について解説されています。
「個々の子供」が学習者であり、子供は一人一人異なるということを前提に、主体である子供の実態から学習活動を構想し、展開するのが自立活動です。それらを具体化したものが「個別の指導計画」であり、どのようにして授業につなげるか、ということについて述べられています。
新たな時代における自立活動の授業の成果と発信
第三部では、自立活動の指導の場である「教室」での授業に着目し、授業研究のあり方や新たな専門性としての協働モデルについて構想されています。教室を基盤とした関係教師の協働による自立活動の指導の展開と、支援相談の担当教師との連携なくして成果の創出と発信はない、と書かれています。インクルーシブ教育システムの中で、特別支援学校での自立活動の指導の成果は、「地域」の特別支援教育を充実させ、さらには「世界」の特別支援教育を発展させることにつながるということが、強調されています。
本書は、自立活動の指導について、読者の視野を広げて道を指し示す書籍です。ぜひ、手元に置いて繰り返し目を通すことをお薦めいたします。
(千葉県立大網白里特別支援学校 尾ア美惠子)
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