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よく分かる!自立活動ハンドブック第一巻〜第三巻
「指導すべき課題を導く」「指導を計画する」「指導をよりよいものへ」

下山直人 監修
筑波大学附属桐が丘特別支援学校・自立活動研究会 編著
 

B5判 180〜188ページ

本体価格2,200円+税

ジアース教育新社
 「自立活動は、障害のある子供の自立と社会参加のため、我が国の特別支援教育において創造された指導領域です。子供が必要とする学びを創り出すため、教師の裁量が大きくなっていますが、それは同時に教師にとっての指導の難しさともなっています。
 多くの教師は、自立活動について自身の学びの過程で経験することなく教壇に立っています。大学でも自立活動について学ぶ機会は充実しておらず、実際に現場に立ってから学んでいますが、書籍もまだ少ないのが現状です。」(「刊行に向けて」より)
 本シリーズは、このように学ぶ機会を求めている現場のニーズに応え、自立活動の案内書となることを目指して刊行されました。自立活動の理論が解説されていると同時に、実践事例が豊富に掲載されています。
 全三巻で構成されており、いずれも「理論編」「学校事例編」「実践事例編」となっています。

第一巻「指導すべき課題を導く」
 第一巻では、「指導すべき課題を導く」として、初めて障害のある子供の指導にあたる先生たちでも理解しやすいように、子供の実態把握から、指導の課題を導き出すまでに焦点を当てて丁寧に解説されています。事例編では、2校の学校での取り組みと、教育課程別に特別支援学校の15事例が紹介されています。

第二巻「指導を計画する」
 第二巻では、「指導を計画する」として、第一巻の「指導すべき課題を導く」を受けて、「個別の指導計画」を作成し、実践に至る授業計画に落とし込むまで、わかりやすく解説されています。事例編では、第一巻と同様に2校の学校での取り組みと、教育課程別に特別支援学校や高等学校の15事例が紹介されています。

第三巻「指導をよりよいものへ」
 第三巻では、「指導をよりよいものへ」をテーマに、自立活動の指導を実践し評価に基づいて改善するまでについて、詳しく解説されています。事例編では、学校の取り組みとして2校の事例と、全国の特別支援学校と中学校の実践16事例が、授業実践と評価・改善に焦点を当てて紹介されています。
 本シリーズは、障害のある子供と初めて向き合う教師にとって、指導に関するヒントを得ることができる本です。ぜひ、ご一読されることをお薦めいたします。

(千葉県立大網白里特別支援学校 尾ア美惠子)