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論理的思考力を育てる!
書く力・考える力アップワーク

長谷川祥子・西山悦子 編著
東京都台東区立東泉小学校 著
 

B5横判 137ページ

本体価格2,000円+税

明治図書
繰り返しの「きそワーク」
 「国語のワークブックです」と紹介されて本書を手に取り、ページをめくってみました。論理的思考力を育てるというタイトルのこのワークブックは、1冊の3分の2ほどが「きそワーク」というページで、同じ質問が文章を変えて繰り返し続いています。
 質問は、文章に段落を付け、段落ごとのキーワードを見付けていくものです。文章は400字程度で、内容も運動会や夏休みのことを書いた、子供にとって身近でわかりやすいものばかりです。
 「本ワーク集は、2020年度に東京都台東区立東泉小学校の朝学習で使用していた冊子がきっかけとなり、刊行できました。2020年4、5月は多くの小・中学校が臨時休校でした。このような状況で、東泉小学校は休校開けに備えて、朝学習の冊子を作っていました。(中略)冊子を拝見したとき、他の小・中学生が使っても、書く力・考える力が育つと考えました」(「おわりに」より引用)と、編著者の長谷川氏は記しています。
 著者となっている東京都台東区立東泉小学校では、平成26(2014)年から、論理的文章の読み方・書き方の指導を続けてきました。小学校の教員が指導を積み重ねる中で作られたこのワークブックは、子供に「こうすれば自分にも論理的な文章が書けそうだ」と思えるように、工夫されています。それは、短い平易な文章を問題に使うこと、色々な文章で段落ごとのキーワードを見付けることを繰り返すことです。

文章の構成に気付かせる指導
 「きそワーク」の後は、「論理力アップワーク」が続いています。これも、1ページで完結しています。この「論理力アップワーク」では、文に書かれていることが、事実なのか意見なのかを区別したり、事物を文にあらわすときに順序良く並べたりということが課題になっています。
 教科書に載っている論理的文章は、科学的情報が教材のため、その情報を教えることが論理的文章の指導と勘違いされやすい、文章が長く、子供にとって全体像が把握しにくいなどの課題があります。
 このワークブックでは、短くても論理的な文章をたくさん読むことで、文章の構成に自然と気付くことをねらっています。
 改訂された学習指導要領の国語では、「情報の扱い方に関する事項」が新設されました。情報を的確に理解し、自分の考えの形成に生かしていくには、論理的思考力が必要です。
 短時間でも取り組めるこの冊子は、小学校を2学年ごとに分けて3冊、中学校用1冊として刊行されています。国語の授業や宿題等で活用に役立つワークブックです。

(東京都立墨東特別支援学校 武井純子)