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障害の重い子供のための各教科の授業づくり
下山 直人監修
筑波大学附属桐が丘特別支援学校編著 |
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B5判 193ページ |
本体価格2,300円+税 |
ジアース教育新社 |
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実践例の交流を
障害の重い子供の各教科の指導は、難しさがあることは否めません。指導目標は決まっていても、指導内容は個々の教師が考えていかなければなりません。そこで、各教科の授業づくりについて、全国の特別支援学校の実践例の情報交換ができれば、とても有益ではないか、実践例の交流を図っていきたいという考えで、本書は企画されました。
知的障害を伴う重複障害児の各教科の指導で、教師が「とても困っている」「困っている」のは、「三観点を踏まえて評価規準・評価基準を設定すること」「指導後に観点別評価を実施すること」「教科の年間指導計画や単元計画を作成すること」が、どれも六割以上という調査結果があります。これは、筑波大学附属桐が丘特別支援学校が、令和2年(2020年)に全国の肢体不自由特別支援学校を対象に調査したものです(一部抜粋)。
この調査結果を見て、各教科の指導に、たくさんの教師が困難さを感じていることを知り、私だけではないのだと、安堵してしまいました。
本書では、この調査で各教科を指導する教師の不安を見た後、障害の重い子供の教育が何を目指し、どのような中身が準備されているのかが、整理されています。
第1章を執筆された下山先生は、「人格の完成」や「社会の形成者の育成」といった教育の目的は、「もてる力を発揮する子供」「社会に参加しよりよく生きる子供」と言い換えると、障害の重い子供の教育の目的として、教師の実感にマッチするのではないかと語りかけてくれます。
各教科の授業づくり
第3章以降の各教科の授業づくりについては、筑波大学附属桐が丘特別支援学校施設併設学級の研究をもとに、教科が1章ごとにまとめられ、各章は教科で育む力、授業づくりのポインwト、実践例の3節に構成されています。
授業づくりのポイントの節では、その後の実践例に登場する児童生徒の、観点別学習状況評価が示され、観点別評価による捉え方を具体的に学ぶことができます。実践例には、単元の評価基準も、具体的に示されています。
体育・保健体育科のような、学校行事に関連する教科では、年間指導計画の単元配列の例も引用されています。
教師が各教科の指導で困っていることを、1つずつ取り除くような構成で、理解に導いてくれます。各教科の指導に困っているところから、一歩踏み出す支えになる1冊だと思います。
きっと授業づくりの扉を開けることができるでしょう。
(東京都立墨東特別支援学校 武井純子)
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