肢体不自由養護学校には食べることに困っている子供たちがたくさんいます。この本は、昭和大学の向井先生を委員長とする東京都の摂食指導検討委員会が、そんな子供たちに日々関わっている現場の先生のためにまとめたものです。
まず、「安全に食べるための基礎知識」では、□腔解剖や嚥下のメカニズムを中心として、食べる機能の仕組や食べる機能の発達と障害などについて、コンパクトにまとめられています。難解な用語については欄外に説明があるので、とても分りやすくなっています。 「個に応じた食事指導」では、姿勢や食環境も含めて、実際の食事指導の場面で必要ないろいろな技術について解説しています。また、食べる機能に応じた食物形態やいろいろな症状に応じた対応の仕方についても触れられており、子供たちに関わる校内・地域・家庭との連携の取り方についても解説されています。
「事例の紹介」では、東京都の養護学校の先生方がじっくり取組んできた六つの事例が紹介されています。最後の「食事指導Q&A」では、現場でよく聞かれる疑問について、丁寧に説明しています。
現場の養護学校の食事指導に関わる内容がこの1冊に網羅されていますので、初めての食事指導で困っている先生方に、ぜひこの本をお勧めします。
埼玉県立日高養護学校 内田 修
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