本書は、作業療法士、栄養士、保健師によって執筆されていて、「食事に個別の配慮と援助を必要とするこどもさんとその家族の方へ」というサブタイトルがつけられています。 本書の内容は、食べることに必要なこころの発達、姿勢・運動の発達、ミルクやスプーンなどの扱い方、口腔衛生、水分のとり方、調理の工夫のポイントなどに分けて、Q&A形式で具体的に分りやすく示してあります。
また、「スプーンについて」、「アレルギーについて」、「唾液の働きについて」など、全部で30のコラムには、ちょっと気をつけて欲しいことが載せてあり、食事に関する理解を助けてくれます。
目次のQを見て、自分の関心のある箇所から読み進めていくのもよいでしょう。
序文に、「こどもさんが成長・発達する道すじを『学び』の過程としてとらえようとの提案を試みています。」とあるように、発達的な観点を踏まえながら、著者たちが対応してきた事例をもとに、実際の食事で困っていること、取組もうとしていることに焦点を当てて書かれています。
著者が述べているように、子供たちとの「愉しい食事の一助」のために、気軽に本書を読んでみてください。
東京都立江戸川養護学校 吉川 知夫
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