今年四月から、 全国の盲聾ろう養護学校で新学習指導要領のもとで、 教育が行われます。 新しい時代の幕開けです。さあ、 これから先の障害児教育はどうなるのでしょうか?
本書では、 これから何が変わろうとしているのか、 変わろうとしている背景にはどんな動向があるのか、 変わるにせよ変わらないにせよ、 障害のある人とかかわる人が押さえておくべき基礎的な知識とは何か、 教育改革が進む中で、 変わらないものは何なのかなど、 障害児教育や福祉の歴史、 制度、 最近の動向をわかりやすく整理して説明しながら、 障害ごとの特性や指導方法など、 機能的な障害に関する基礎的な知識も盛り込まれた、 内容充実の一冊になっています。
本書は十五章で構成されており、 一、 二章では、 障害者の福祉と教育について、 現状、 歴史、 当面の課題、 多様なサービスについて、 説明されています。
三章から十一章までは、 肢体不自由児 (者) をはじめ、 視覚障害児 (者)、 聴覚障害児 (者) など、 障害ごとの特性と指導について、 基礎的な点が説明されています。
十二章では特殊教育の教育課程について、 十三章では卒業期 (後) の指導について、 十四章では、 障害児 (者) 福祉・教育従事者の職種・職場について、 十五章では障害児 (者) をとりまく環境として早期療育等について説明されています。
私は養護学校の教員を務めるようになってから、 まもなく八年がたとうとしていますが、 今、 本書を読んでみると、 お恥ずかしいことに、 知らなかったことが数多くありました。
もちろん、 障害児教育に関することすべてを知らないと、 障害のある方とかかわることができないのではありませんが、 子どもや保護者に、 よりよいサービスを提供するためには、 本書のような障害児教育・福祉全般を押さえた書は、 いつでも見られるところに置いておきたいものです。
初心者の方にはもちろん、 経験豊富な方も、 きっと役に立つ書であると思います。ぜひご一読ください。
神奈川県立瀬谷養護学校教諭 立花 裕治
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