自立活動を主として指導する教育課程の子供たちは、表現力が限られ、学習の積み重ねも非常に緩やかです。そのため各学校では、子供の的確な実態把握や教育目標・教育内容の設定、授業計画の立案、授業後の評価等について、PDCAサイクルにそって日々検討を重ねながら指導に取り組んでいます。
本書には、自立活動を主として指導する教育課程における基本事項から、日常の授業づくりのヒント、最新の動向までの合計147の豊富な事例が、質問に対する回答形式で掲載されています。
第1章「障害の重い子どもの指導と自立活動」では、教育課程の編成や自立活動の意義、自立活動の指導と計画についての基本事項やポイントを確認することができます。第2章「指導内容・方法」では、自立活動の内容の6区分を視点とした指導内容・方法が掲載されており、具体的な指導内容を考える手がかりとなります。第3章「指導計画等の作成」では、個別・学習集団・学級経営等の指導計画作成における留意点や具体例を解説しています。第4章「指導の充実のために」では、日々の指導の評価と授業改善の方法、保護者・専門家・関係機関との連携のポイント、指導力充実のための研修や免許について紹介しています。巻末には用語解説などを含めた資料が掲載されています。
様々な場面において「疑問に思うこと」、「指導に悩むこと」を分かりやすく解説した、日々の指導に役立つ実践的な図書です。
指導の原点に立ち返り、明日への授業づくりのために、ぜひ本書をご一読くださるようお勧めします。
(筑波大学附属桐が丘特別支援学校 大川原 恒)
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