絵日記学習とは、日常生活や様々な体験を挿絵で構成して表現したり、単語や文、文章等で書き表したりしていくものです。この学習は主に国語・日常生活の指導(帰りの会など)・家庭学習等の中で行われ、生活に必要な言葉を育て、言葉での表現を豊かにするといった成果を得ることができます。
本書では、言葉を使って物事を伝えることが苦手な子供が、絵日記学習を通して語彙や文章表現の方法を獲得するための指導方法と、そのための教材・ワークシートを紹介しています。
1章では、教材を用いた指導方法を紹介しています。2章では、それらの指導に用いる教材を掲載しています。3章では、振り返り学習として用いるワークシートの一覧を掲載しています。また、すべての教材・ワークシートは付録のCD―ROMにも収録されており、パソコンで自由な大きさに変えて使用することができます。
特別支援学校(知的障害)や特別支援学級などでは、そのまま教材として活用できます。特別支援学校(肢体不自由)においては、掃除や給食の配膳、係活動や遊具での遊びなど、子供に経験させにくい活動の教材が多いのですが、本書を参考にオリジナル教材を作成し、子供の日常生活動作を中心に語彙や表現方法を増やす絵日記学習を行うことは、効果的な指導方法となるでしょう。
また、学習を行っていく上でのステップアップの手順も分かりやすく提示されています。子供の最近接領域の学習内容から、どのように課題を変化させれば良いかを考える際に、とても参考となります。
(東京都立府中けやきの森学園 渡部 千尋)
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